二酸化炭素排出削減のための電力需要予測

導入事例 No. 07

導入事例 No. 07

二酸化炭素排出削減のための電力需要予測

近年企業の責務として求められている二酸化炭素排出量の削減を実施したい企業が、AIによる電力の需要予測を行なった例です。ノーコードでの素早い試行錯誤や可視化された分析フロー、AIモデルを組み込んだシステムの開発を実施しました。

課題
  • 電力コストを削減したい
  • 二酸化炭素の排出量を削減したい
解決
  • AIによる電力の需要予測
効果
  • 素早い試行錯誤
  • AIモデルを使ったシステム開発の簡単さ
業種・業務
プラント
発電施設
目的・手段
効率化
コスト削減
システム開発
二酸化炭素排出量の削減に向けて
脱炭素のため企業に求めれている責務 近年、SDGsの提唱により企業の責務としての二酸化炭素の排出量を減らすことが求められています。日本政府も二酸化炭素の排出量の目標値として2030年までに2013年比で46%削減するという具体的な目標や、エネルギー需給構造の転換といった社会構造の変革に至る実現を目指しています。エネルギー構造の転換をもとにした産業構造の転換をGX(Green Transformation)といい、様々な企業で既に取り組みが始まっています。
GX(Green Transformation)のためのAI活用 GXは産業構造の転換だけではなく小さな取り組みから始めることもできます。例えば企業で利用している電力を削減することをもGXの取り組みの1つです。日々利用している事務所、工場、研究所などの電力を最適化することで、二酸化炭素の排出量の削減のみならず、電力にかかるコストを削減することができます。特に、余剰電力を調整し需要者に供給するVPP(Virtual Power Plant)のような新しいビジネスに応用することもできます。
GXの第一歩となるAIによる電力需要予測の実現 私たちのお客様もGXおよびVPPのような新しいビジネスの構築に向けて、AIによる電力効率の最適化に向けて方針を模索していました。その中でまず第一歩として、AIによる事業所の電力需要予測に取り組みました。数時間後〜1日後の未来に、事業所が利用する電力をAIで予測することで、消費電力がこのまま上がっていかないかの監視を実施し、従業員に節電を提案したり、電力システムと連携を行い最適化を行うことを狙いとしています。また、延長線上にはVPPビジネスとして供給者に電力の需要を伝えることで安定した取引を実施することも視野に入れていました。
Node-AIによる電力需要予測の実現
一時間ごとの電力の履歴と天気、温度などを1つのcsvとして用意 お客様と連携してまずは消費電力がどのように推移しているかを示すデータを用意していただきました。また、お客様とのディスカッションの中で電力との関係が強く重要視すべき項目としてその日の天気や日照時間、気温などの情報をまとめて1つのcsvとしました。今回はそういった様々なデータから24時間後の電力を予測するという問題をNode-AIを利用して取り組みました。
カードを繋いで5分で初期分析、素早い試行錯誤 Node-AI上ではcsvデータをアップロード後、前処理、AIモデルの定義、AIの学習、評価に至るまでプログラミングなしにカードをドラッグ&ドロップで実行することができました。今回の事例でも5分ほどで初期のモデルを作成することができました。さらに、Node-AIは要因分析というAIが温度、天気などのどの項目を重要視しているかの重要度を可視化する機能があります。これを使って重要な項目を考察し、それに応じて項目の選択を行うことができました。また、AIモデルの変更もサービス上から簡単に行えたので、試行錯誤を素早く繰り返すことができました。Node-AIにより最終的に目標制度を達成することができました。
Node-AIで作ったモデルとシステム連携
社内システムとの連携向けて 今回の目的はAIモデルを作ることではなく、最終的に需要予測を行うシステムを作ることです。そのためには社内での可視化や、社内の電力供給システムとの連携、最終的には電力市場のような大規模システムとの連携を行う必要があります。一般的にはAIモデル自体はプログラミングコードの塊なので、組み込み自体はできますが、AIへの専門的な知識やプログラミングの知識が必要になるため、時間的なコストがかかるという問題があります。特に、季節が変わることによってAIの精度が劣化する場合があり、AIを改めて学習するような機構も必要です。
Node-AIはシステム連携を容易にする Node-AIではAIモデルを専用のソフトウェア「Node-AI Berry」と組み合わせることで、高度なプログラミングなしにシステム連携を行うことができます。Node-AI Berryには自動で再学習を行う機構も存在し、季節変動を防ぐことができます。これにより最終的にAIと他のシステムと連携したシステム構成を作ることができました。
需要予測AIの活用方法 Node-AIで開発した需要予測AIモデルは電力コスト削減やGXの文脈以外にも活用することができます。例えば食品業界、小売業界での活用例を下記にまとめます。
  • 生産工場
    • 需要予測から生産量を決定し生産コスト最適化
    • 人員の最適配置による人材コスト最適化
  • 小売店舗店舗
    • 店舗における需要を予測することで発注量の最適化
    • 来店人数予測